「西の将棋王子」と称される関西の俊英、斎藤慎太郎八段(27)が名人初挑戦を決めた。平成生まれの棋士の名人戦登場は、豊島将之竜王(30)=叡王と合わせ二冠=以来2人目となる。
26日、静岡市で第79期将棋名人戦・A級順位戦の最終9回戦が一斉に指された。「将棋界の一番長い日」と称され、トップ棋士10人が深夜まで熱戦を繰り広げる大舞台だ。2番手の広瀬章人八段(34)が豊島竜王に敗れ、A級初参加の斎藤八段の優勝が決まった。
斎藤八段は2012年に18歳でプロ入りし、毎年勝率6割以上の活躍を続けてきた。五つのクラスがある順位戦でも順調に出世し、20年にA級に昇級。渡辺明名人(36)=棋王・王将と合わせ三冠=に挑戦する名人戦では、18年に獲得した王座に続く二つ目のタイトル獲得を目指す。
将棋は正統派で、詰将棋で培った鋭い終盤力を持ち味とする。師匠の畠山鎮(まもる)八段(51)は「以前は荒々しさ、迫力に欠ける印象を受けたが、最近は自分の読みを信じて決断よく指していると感じる」と話す。
将棋界の八つのタイトルは渡辺名人、豊島竜王、藤井聡太二冠(18)、永瀬拓矢王座(28)の4人が分け合っている。斎藤八段がそこに割って入れるか、注目される。(村瀬信也)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル